バター
脂肪80%、水分16%、乳固形分4%。この比率がバターのすることすべてを説明します。焦げる理由も、層を作る理由も、ソースにつやを出す理由も。
基本は無塩バター
お菓子作りでもたいていの料理でも無塩バターを使い、塩は自分で加減します。有塩バターは銘柄によって塩分が違うからです。有塩しかないときはレシピの塩を減らします(バター100gにつき塩およそ1〜1.5g)。
焦げる理由
バターは約150°Cで煙が出ます。焦げるのは脂肪ではなく乳固形分、つまりたんぱく質と乳糖です。ですから対策は二つあります。
- 油と合わせる:クセのない油を少し加えると、色づく温度が上がります。
- 澄ましバター(ギー):乳固形分を取り除いたもので、発煙点は約250°Cまで上がります。インド料理がバターチキンカレーのような料理にギーを使うのはこのためです。
その固形分をわざと色づけるとブール・ノワゼット(焦がしバター)になります。香ばしくておいしいのですが、粒が色づいて香りが立った瞬間に火から下ろしてください。
冷たいか、溶かすか、常温か
温度も技術の一部です。
- 冷たいまま:層を作ります。クロワッサンの層は、冷たいバターを生地に折り込むことから生まれます。生地に溶けこんだら層は消えます。
- 常温(クリーム状に練る):空気を抱えます。クッキーやケーキの生地に。
- 最後に冷たい角切りを:ソースを乳化させてつやを出します(モンテ・オ・ブール)。一度に入れたり、熱すぎるところに入れたりすると分離します(ソースが分離する理由を参照)。
保存
密閉して冷蔵で1〜2か月、冷凍で6か月。バターはにおいを強く吸うので、アルミホイルで包むかふたつきの容器に入れます。外に出しておくバターケースには数日分だけを。
代用
- クセのない油:バター100g≈油80ml。風味と層は失われます。
- オリーブオイル:炒め物には十分ですが、お菓子では風味が変わります。
- マーガリン:お菓子に使えますが、水分量が違うので食感が変わります。