レモン

果汁と皮は別の食材で、入れるタイミングによって酸味の働きが変わります。

選び方

重さで選びます。同じ大きさなら重いほうが果汁が多い。皮が厚くでこぼこしているものは、同じ実でも果肉が少なめです。皮を使うならノーワックスのものを買うか、熱湯に30秒浸してこすり洗いします。

果汁と皮は別の食材

  • 果汁:クエン酸。軸は酸味で、香りはほとんどありません。
  • 皮:香り成分(リモネン)を含む油胞。酸味はまったくありません。

ですから「レモン」が欲しかったのに果汁だけを使うと、酸っぱいだけで何も香りません。香りは皮、酸味は果汁。すりおろすのは色のついた層だけにします。その下の白いわたは苦いからです。

果汁は最後に入れる

熱は香りを飛ばし、酸味の角も鈍らせるので、基本は火を止めてからです。

  • 仕上げに数滴たらしてスープを引き締める(たとえばブイヤベース)のはこの効果です。
  • 最初から煮込むと、酸味は残っても「生のレモン」らしさは残りません。
  • 順番については味のバランスを。

乳製品を固まらせる

レモン汁は牛乳や生クリームのカゼインを凝固させます。熱いクリームソースに注ぐと、ざらつきます。

避けるには温度を下げ、混ぜながら少しずつ果汁を加えます。同じ反応をわざと使うのがリコッタ作りです。ヨーグルトがレモン汁を入れても分離しないのは、もともと酸性だからです(乳製品と熱)。

緑の野菜とは早く合わせない

酸はクロロフィルをくすませます。下ゆでしたブロッコリーやアスパラガスにレモン汁を置いておくと、オリーブ色になります。和えるのは食べる直前に(下ゆで)。

変色も止める

りんごやアボカド、じゃがいもが茶色くなるのは酵素と酸素の反応で、酸はその酵素の働きを抑えます。ワカモレにライム果汁を入れる理由の半分はこれです。

ライムは代用にならない

入れ替えられそうに見えて、そうではありません。香り成分が違い、ライムは皮由来の苦みがずっと強いのです。セビーチェやソムタムのライムをレモンに替えると、酸っぱさの量は合っていても料理の性格が変わります。急場なら1対1で替えてかまいませんが、同じ料理ではありません。

酢が運ぶのは酸味だけです。目安はレモン汁大さじ1≈酢小さじ2で、香りが大事な料理には使いません(酢)。

果汁の搾り方

  • 常温に戻し、先にしっかり転がします。冷蔵庫から出したてでは搾れる量が減ります。
  • 電子レンジで30秒温めると、さらに多く搾れます。
  • レモン1個≈果汁大さじ2〜3、皮のすりおろし大さじ1。

保存

  • 丸ごとなら常温で1週間、冷蔵で3〜4週間。
  • 切ったものは切り口にぴったりラップをして、冷蔵で2〜3日。
  • 果汁は冷凍します。製氷皿のひと枠に大さじ1ずつ入れれば6か月もち、瓶入りの濃縮果汁の味にはなりません。
  • 皮も冷凍できます。すりおろして密閉すれば、香りがよく残ります。

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