黒こしょう
挽いて売られているこしょうと粒こしょうは、事実上別のスパイスで、入れるタイミングも違います。
挽いたこしょうは香りの大半をすでに失っている
こしょうの辛みはピペリンから、香りは皮にある揮発性のテルペン類から来ます。ピペリンは安定していて長持ちしますが、香りは挽いてから数週間で消えます。
長く開けたままの瓶が、辛いだけで香らないのはこのためです。ペッパーミルがあればこの問題はきれいに片づきます。台所でいちばん安上がりな改善の一つです。
黒、白、緑、ピンクは同じ実の加工違い
- 黒:未熟な実を乾燥させたもの。皮にしわが寄り、香りを抱えています。これが基本です。
- 白:熟した実の皮を取り除いたもの。香りは弱く、辛みと土のような風味が前に出ます。白いソースや澄んだスープに黒い粒を入れたくないときにも使います。
- 緑:未熟な実を塩水漬けかフリーズドライにしたもの。みずみずしい香りで、辛みは穏やかです。
- ピンクの「ペッパー」はたいていこしょうではなく、別の木の実です。
入れるタイミングが結果を決める
ピペリンは熱に耐えますが、香りは耐えません。ですから長い煮込みの最初に入れると、残るのは辛さだけです。スパゲッティ・アッラ・カルボナーラが最後に粗挽きにするのはこのためです。一方、スユクの鍋に入れる粒こしょうは臭みを抑えるためのもので、まったく別の役目です。
逆に、強く焼き付ける前にこしょうをふると焦げることがあり、粗挽きは特にそうです。表面に強い熱が当たるなら、塩を先にふり、こしょうは焼いたあとに(スパイスを油で引き出す)。
その辛さは唐辛子の辛さではない
ピペリンはカプサイシンと同じTRPV1受容体を刺激しますが、結びつきが弱いので、辛さは浅く、すぐ消えます。唐辛子のように後を引かないので、こしょうはたっぷり使えます。こしょうは香りで存在を示すのです(唐辛子と辛さ)。
麻婆豆腐の花椒はさらに別物です。ヒドロキシ-α-サンショオールがしびれを生み、どちらの方向にもこしょうの代わりにはなりません。
保存
- 粒こしょうは何年ももちます。挽いたものは、香りが消えるまで3か月と考えてください。
- 密閉して、熱と光を避けます。コンロの上の棚は台所でいちばん悪い場所です。
- きれいに挽けずにぼろぼろ崩れるなら、古すぎます。
代用
- 黒の代わりに白はきれいな入れ替えではありません。色も香りも違います。同量を使い、違う仕上がりになると思ってください。
- 花椒は代用になりません。別の食材です。
- こしょうがまったくないときは、少量のしょうがで足りない辛みの一部を補えます。香りを補えるものはありません。