にんじん
よく使う野菜の中でいちばん固い。だから切る大きさが、同じ鍋のほかのすべての加熱時間を左右します。
いちばん固い野菜であることがすべて
にんじんはよく料理に使う野菜の中で細胞壁がいちばん厚いので、同じ鍋に入れるほかのどれよりもずっと長くかかります。
実際にはこういうことです。にんじんをほかの野菜と同じ大きさに切ると、どこかがうまくいきません。にんじんが生のままか、ほかがすべて煮崩れるかです。抜け道は二つあります。
- 小さく切る。ほかの野菜の半分の大きさが目安です。
- 先に入れる。炒め物ではにんじんを最初に入れてほかを後から、スープでは最初に鍋へ。コールスローのような生の料理では理屈が逆になり、いちばん薄く切るかすりおろさないと噛めません。
ミネストローネやアイリッシュシチューでにんじんを最初に入れるのも、チャプチェでせん切りにして先に炒めるのも、同じ決まりです(包丁の基本)。
斜めに切ると早く火が通る
同じ厚さでも、斜め切りは表面積が大きく、熱に触れる部分が増えます。飾りではなく、加熱時間を縮めるための方法です。炒め物のレシピがにんじんを斜め切りにと言うときは、たいていこの意味です。
糖分が多いので色づく
にんじんは野菜としては糖分が多く(約5%)、炒めると色づいて甘みが前に出ます。メイラード反応とカラメル化が同時に起きているのです。
- 長く加熱したにんじんが甘いのは、その糖が濃縮されカラメル化したからです。
- 同じ糖のせいで強火では焦げやすい。さいの目のにんじんを土台としてやわらかく炒めるなら、中火が基本です。
油と一緒に食べるほうがよい
にんじんのβ-カロテンは脂溶性です。油なしで生で食べるとあまり吸収されず、加熱で細胞壁がやわらかくなると吸収はむしろ上がります。にんじんに「生がいちばん」は当てはまりません。
コールスローのマヨネーズや、生のにんじんにかけるオリーブオイルのドレッシングは、味だけでなく栄養の面でも理にかなった組み合わせです(調理油)。
皮と芯
- 皮:薄くむくか、こすり洗いするだけで。栄養のかなりの部分は表面近くにあります。
- 芯:大きく古いにんじんは中心が木のようで、固く味がありません。太いものは縦に四つ割りにし、芯が白っぽく固ければ取り除きます。
- 緑色の肩:苦い。上を1cm切り落とします。
保存
- 葉はすぐに切り落とします。葉をつけたままにすると根から水を吸い続け、2日でしなびます。にんじんの保存でいちばん大事なことです。
- 洗わずに紙で包み、野菜室で3〜4週間。
- 洗ったにんじんは完全に水気をふきます。濡れたままだと表面がぬるぬるします。
- 冷蔵庫で水に沈めておけば、切ったスティックでも1週間ほどもちます。水は1日おきに替えます。
- 冷凍する前に下ゆでします。生のまま冷凍すると細胞が壊れ、解凍するとぐずぐずになります(食感を損なわない冷凍と解凍)。
白い粉
表面が白っぽくなるのは乾燥で、カビではありません。食べられますが水分が抜けているので、スープや炒め物に使います。ぐにゃりと濡れていたり、においがおかしかったりするものは捨てます。