ボルシチ(ビーツのスープ)

写真: liz west from Boxborough, MA · CC BY 2.0

ボルシチ(ビーツのスープ)

深いルビー色をした、ウクライナを代表するビーツのスープです。牛肉のスープにキャベツ、じゃがいも、にんじんを加え、甘酸っぱく煮込んで、サワークリーム(スメタナ)とディルをのせて仕上げます。ウクライナのボルシチ文化は2022年にユネスコの遺産リストに登録されました。

材料

6人分

作り方

  1. 牛肉を水で1〜1.5時間、アクを取りながら煮てスープをとる。肉を取り出してほぐす。

    ⏲ 90分
  2. 玉ねぎとにんじんを炒め、ビーツ、トマトペースト、酢を加えて一緒に火を通す(酢がビーツの赤い色を保つ)。

    ⏲ 10分
  3. スープにじゃがいもを入れて10分煮立て、キャベツを加えてさらに5分煮る。

    ⏲ 15分
  4. ビーツの炒め物、ほぐした牛肉、ローリエを加え、弱火で15分静かに煮る。

    ⏲ 15分
  5. にんにくを加え、塩、こしょう、少量の砂糖で甘酸っぱく味をととのえる。火を止めて10分おく。

    ⏲ 10分
  6. 器によそい、サワークリームをひとさじと、たっぷりのディルをのせる。ライ麦パンを添えて出す。

アレンジ

  • ベジタリアンのボルシチ:肉を使わず野菜のスープで作ります。四旬節の料理でもあります。
  • パンプーシュカ添え:にんにく風味の丸パンを添えます。
  • 豆入り:ゆでた白いんげん豆や缶詰の白いんげん豆を加えると、食べごたえが増します。
くわしい説明と理由 (4)
  • 酢が実際にしていること。答えは色素にあります。赤はベタニンで、中性やアルカリ性のpHでは熱と時間で茶色に分解しますが、酸の中ではずっと長くもちます。つまり酢には、最後に調整する味付けとは別に、ビーツに火を通すその時点での役目があるのです。
  • 赤い色素がすべて同じように酸に反応するわけではありません。梅干しの赤じそやレッドベルベットケーキのアントシアニンは、酸の中で色が変わり、鮮やかな赤になります。ベタニンは色が変わるのではなく、ただ分解から守られるだけです。2つの色素が、同じ酸とまったく違う関係を持っているのです。
  • ビーツを別に煮て遅く加えるのも、同じ話です。ベタニンは熱に弱いだけでなく水溶性でもあるので、ビーツが鍋に長くあるほど色が野菜から液体へ移り、そこで分解します。別に煮て最後に加えると、1回の長い加熱が2回の短い加熱に分かれます。
  • 冷たいボルシチ:夏には冷やして出すこともあります。リトアニアのシャルティバルシュチェイは、これを冷やしたものではなく別の料理で、生のケフィアを使い、スープもなく、一緒に煮るものもありません。

コツ

  • ビーツを煮るときに酢やレモン汁を加えると、鮮やかな赤が保たれます(入れないとくすんだ色になります)。
  • ビーツは別に煮て遅く加えると、色と甘さが残ります。
  • 甘味・酸味・塩味のバランスがすべてです。酢、砂糖、塩を好みで調整しましょう。
  • 煮上がってから休ませると、味がなじんで深まります。
  • 翌日温め直すとさらにおいしくなります。1日おくのがおすすめです。
くわしい説明と理由 (2)
  • 甘さはすでに鍋の中にあります。ビーツは重量の約8%が糖なので、砂糖を加える前からスープは甘いのです。本当に調整している軸は酸で、酢をどれだけ入れるかで、その甘さを抑えられるかどうかが決まります。砂糖より先に酢に手を伸ばしましょう(味のバランス)。
  • 「翌日のほうがおいしい」はこの料理に特有のことではありません。たいていの煮込みも翌日のほうがおいしくなります(煮込み)。ここで特有なのはその代償で、ベタニンは温め直しの間も分解し続けるので、味は深まっても色はあせていきます。ビーツの一部を取っておき、温め直したあとに混ぜ込めば、両方が手に入ります。

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