ドロ・ワット(ベルベレと丸ごとの卵入り鶏肉の煮込み)

写真: stu_spivack · CC BY-SA 2.0

ドロ・ワット(ベルベレと丸ごとの卵入り鶏肉の煮込み)

エチオピアの国民食のひとつで、鶏肉と丸ごとの卵をベルベレで煮込み、インジェラと一緒に食べます。煮込みはふつう脂を熱するところから始まりますが、ドロ・ワットはそれを飛ばします。細かく刻んだ紫玉ねぎ1kgを油をひかない鍋で1時間近く加熱して崩れるまで煮詰め、そこで初めてバターとベルベレを入れます。

材料

5人分
  • 鶏肉(4〜6人分)
  • 鶏肉 · 関節で切り分け、皮を取り除く1.2kg
  • レモン果汁 · 浸す用大さじ3
  • 塩小さじ1
  • ソース
  • 紫玉ねぎ · ごく細かいみじん切り。これを減らすとソースにならない1kg
  • ニテル・キベ · スパイス入りの澄ましバター。作り方はシガ・ティブスに100g
  • ベルベレ · エチオピアのミックススパイス、約大さじ660g
  • にんにく · みじん切り6かけ
  • しょうが · みじん切り30g
  • 水または鶏がらスープ400ml
  • 塩小さじ1.5
  • 仕上げ
  • 卵 · 固ゆでにして殻をむく6
  • メケレシャ · またはカルダモンパウダー。火から下ろして混ぜる小さじ1
  • 添えるもの
  • インジェラ · またはエチオピアのフレッシュチーズ、アイブ4

作り方

  1. 鶏肉をレモン果汁と塩を加えた水に20分浸す(ko.wikipediaに記されている工程)。そのあとよく洗い、水気をふき取る。

    ⏲ 20分
  2. 刻んだ紫玉ねぎを脂をまったく入れていない乾いた鍋に入れ、弱火にかける。最初の10分は何も起きないように見えるが、やがて玉ねぎが自分の水分を出し始める。こまめに混ぜながら50分加熱し、水分が飛んで玉ねぎが茶色いピュレ状に崩れるまで煮る。

    ⏲ 50分
  3. スパイスを油で引き出すは、順番を番号で示している。1. 脂を熱する、2. ホールスパイス、3. 玉ねぎ。ここには手順1がない。脂はいま入れる。ニテル・キベを玉ねぎに溶かし入れ、さらに5分加熱する。玉ねぎは香りを引き出される香味野菜ではなく、ソースの本体である。この料理には小麦粉もトマトも生クリームもナッツも入らない(とろみのつけ方)。

    ⏲ 5分
  4. にんにくとしょうがを加えて2分、続いてベルベレを3〜4分炒める。同じガイドが言うとおり、香りは水ではなく脂に溶けるので、遅れて入れる脂はスパイスのためにある。粉のスパイスは30秒までというガイドの上限は、ここでは例外になる。鍋にはまだ玉ねぎの水分が残っていて、温度がずっと低いからである。

    ⏲ 4分
  5. 水またはスープを少しずつ加えてとろりとしたソースにし、塩で味を調える。一度に全部注がないこと。これはスープではなく、のせて広げるソースである。

    ⏲ 5分
  6. 鶏肉を入れ、ソースが全体に絡むまで返し、ふたをして40分煮る。赤い油が表面に浮いてきたら出来上がり。

    ⏲ 40分
  7. ゆで卵の殻をむき、全体に浅く数本切り込みを入れる。丸ごと入れるので、この切り込みだけが中に味を入れる道になる。卵を加え、さらに10分煮る。

    ⏲ 10分
  8. 火から下ろしてメケレシャを混ぜ、ふたをして5分置く。仕上げのスパイスなので煮立てない。

    ⏲ 5分
  9. インジェラの上に盛るか、インジェラを横に添えて出す。インジェラをちぎり、ひと口分を手で包んで食べる。

    ⏲ 3分

アレンジ

  • ベヤイネトゥ:1枚のインジェラのまわりに何種類かのワットを並べたもので、インジェラのページに出てくる盛り合わせです。
くわしい説明と理由 (5)
  • ズィグニはエリトリアでの呼び名です。厳密には、同じ赤い煮込み(ケイ・ワット/ケイヒ・ツェブヒ)を牛肉や羊肉で作ったもので、ko.wikipediaは「ズィグニとタイタ」をエリトリアの国民食のひとつとしています。パンのインジェラと同じ構図で、タイタは「同じパンのエリトリアでの呼び名」です。パンにも煮込みにも、それぞれの国での名前があるのです。
  • ベルベレが手に入らなければ:シガ・ティブスに代わりの配合があります。ただしこの料理はそれを60g使うので、代用品だと仕上がりがかなり変わることを覚えておいてください。
  • アリチャ・ドロ:辛くない版で、ターメリックとしょうがを使いベルベレは入れないので、赤ではなく黄色になります。四旬節には、シロやミシル・ワットといった断食用の煮込みが肉と乳製品を完全に抜きます。
  • お祝いの料理です:ko.wikipediaによれば結婚式や家族の集まりには欠かせないもので、言い換えれば、1時間かける玉ねぎは平日の料理ではないということです。
  • フェセンジャンとの対比:あちらは砕いたくるみがソースをまとめ、こちらは崩れた玉ねぎがまとめます。どちらも小麦粉やでんぷんを使わず、どちらもとろみの本体が素材そのものです。

コツ

  • 乾いた鍋で加熱しているあいだは、鍋から離れないこと。水分が飛んでいく最後の15分が、焦げつき始める時間です。鍋底が乾いたら水を大さじ1加えてこそげ取ります。
  • 鶏肉の皮は取ります。ソースに包まれて40分煮ると、皮はカリッとせず、ふやけるだけです。
  • 卵には切り込みを。丸ごとの卵は、表面以外に味の入る場所がありません。
  • 辛さはベルベレで調整します。配合は製品によって大きく違うので、初めては大さじ4から始めてください(唐辛子と辛さ)。
くわしい説明と理由 (1)
  • 玉ねぎを減らさないこと。鶏肉1.2kgに玉ねぎ1kgというのは誤植のように見えますが、ここでの玉ねぎは香りではなく量の役目です。半分にすれば、ソースではなく味つけした鶏肉になります。

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