乾式加熱と湿式加熱:調理法の選び方

ローストと煮込みは、同じものの熱い版と冷たい版ではなく、別々の系統です。一方は香りを、もう一方はやわらかさを生み、よい料理の多くは両方を順番に使います。

二つの系統

  • 乾式加熱(焼きつけ、炒め物、揚げ物、オーブン):表面が100°Cをはるかに超えるので、焼き色と香りが生まれます。その代わり、外側と中心の温度差が大きくなります。
  • 湿式加熱(ゆでる、蒸す、煮込む、下ゆで):温度は水の沸点近くに固定されます。焼き色はほとんどつきませんが、中まで均一に火が通り、何も乾きません。

ここには一つ但し書きが必要です。100°Cでも焼き色がつかないわけではなく、遅いだけです。フライパンの時間軸、つまり数分で見れば「ほとんどつかない」は正しいのですが、ずっと長くかければ答えは変わります。ドイツのプンパーニッケルは、水分の多い生地をふたつきの型に入れ、100°Cを一度も超えずに16時間焼き、ほとんど黒いパンに仕上げます。ノルウェーのブルーノストは乳清を沸騰しない温度で何時間も煮詰め、そこから色とキャラメルの香りを引き出します。

これらの料理は温度の代わりに時間を使っています。ですから「焼き色は乾式加熱のもの」というのは、数分から数十分で仕上がる料理についての言い方であって、法則ではありません。

どちらが優れているわけでもありません。問題は香りとやわらかさのどちらがほしいかです。香りの化学については焼き色とメイラード反応にあります。

液体に沈めても、水ではない場合

上の二つの系統は、表面が濡れているかどうかで分かれます。水ではない液体に沈めると、そのどちらにも属さなくなります。

カルニタスは豚肉を90°Cのラードに何時間も沈めます。ふたをした湿式加熱の料理と同じようにやわらかくなりますが、脂は100°Cで頭打ちになりませんし、水に溶ける風味を運び去ることもできません。まさにそこがスユクとの分かれ目です。ゆでた豚肉は風味を水に渡し、だからこそそのスープに価値があるのに対して、カルニタスには風味を逃がす先がありません。

そして同じ鍋の中で系統が変わります。何時間かのちに火を強めると脂は100°Cを超え、そこから先は揚げ物がそのまま当てはまります。

よい料理は両方を順番に使う

ほとんどの煮込みは同じ構造をしています。

1. 乾式加熱で表面を焼きつける:香りと、鍋底のうま味のこびりつき。2. 液体を加えて湿式加熱で長く煮る:やわらかさ。

カルビチムもグヤーシュもカルボナード・フラマンドも、この順に従っています。一段目を飛ばせばやわらかいけれど浅い味に、一段目で止めれば香りはよいけれど硬い肉になります。

順番が逆になることもあります。ムサカやラザニアは湿式加熱でソースを作り、それからオーブンの乾式加熱で仕上げて、表面だけに焼き色をつけ、中はしっとり保ちます。

先に湿式、次に乾式:素材がそれを求めるとき

この二つでは、順番は料理の組み立て方から来ています。素材そのものが順番を決めることもあります。皮、脂、すじなど、ほとんどがコラーゲンでできた部位は、乾式加熱だけではいつまでもやわらかくならず、湿式加熱だけでは焼き色がつきません。そこで順番はゆでてから焼くに固定されます。

  • フィリピンのシシグは豚の頭をゆでてコラーゲンを変化させ、炭火で焼いて表面を作り、最後に熱い鉄板で片面を仕上げます。三度の加熱がどれも欠かせません。
  • 回鍋肉は豚バラ肉をゆで、冷やし、薄切りにして炒めます。名前のとおり、肉は鍋から出てまた鍋に戻ります。

このガイドの最後にある「濡れた表面には焼き色がつかない」という原則が、ここでは実際の手順になります。二つの段階のあいだには必ず冷ますか乾かす間があります。回鍋肉がしっかり冷やすのは、ひとつには包丁のため、もうひとつには、そのあいだに表面が乾くからです。

塊が大きく、自分で湿式加熱を作り出すとき

上の原則は限定なしに述べられていますが、テキサス・ブリスケットはその両半分を同時に破ります。5kgの結合組織を、110〜120°Cで12時間、液体もふたも密閉もなしに加熱し、コラーゲンは変化し、外側には皮ができて仕上がります。そのページは、まさにそれを述べる文でこのガイドを引いています。「ブリスケットがやわらかいのは、火を通す度合いが少ないからではなく、ずっと多いからです」。

答えは、肉が自分で湿式加熱を供給していることにあります。70°C前後になると、表面から蒸発する水が火の与える熱と同じ速さで熱を運び去り、中心温度は2〜3時間動かなくなります。これがストールで、そのページは「表面の蒸発が火と釣り合っている」状態だと書いています。そのあいだずっと、表面はスモーカーの温度ではなく自らの蒸発する水の温度にとどまります。水分を十分に含んだ塊は、上の中間の系統の条件を、その道具を何ひとつ持たずに再現するのです。その時間に温度計が何をしているかは肉の火入れが扱います。ここでの問いは、自分がどの系統にいるかです。

  • この塊に要らないのは密閉です。その系統の料理は、「素材自身の水分」を閉じ込めることで手に入れます。ここでは水は絶えず出ていき、出ていくことそのものが仕組みです。だからこそ、皮、脂、すじについての上の原則は書いてあるとおりに成り立ちます。豚足やバラ肉は小さく、コラーゲンが必要な時間を過ごすよりずっと前に水分を出しきってしまうからです。
  • 途中で包むのは、ひとつの肉の上で入れるホイルのスイッチです。ブリスケットは、このガイドが挙げる二つではなく三つの位置を使います。何も包まないのがいちばん遅く、皮もいちばんよくなります。紙は「蒸発を遅らせながら蒸気は逃がすので、それが表面の皮を守ります」。そしてホイル、つまりテキサス・クラッチは「蒸気を閉じ込めて表面を実質的に蒸し煮にします。バークはやわらかく、肉はよりしっとり」。最後の4時間を乾式と湿式のあいだのどこに置くかを決めるのは作り手で、そのページは「違いはすべてバークにあります」と言っています。
  • それをしているのは煙ではありません。同じページのオーブンのアレンジは同じ温度の流れを120°Cでたどり、「コラーゲンがゼラチンに変わる過程はまったく同じです」と書いています。薪がもたらすのは風味で、コラーゲンを変えるのはその温度での時間です。煮込みは鍋についてそれを説明していますが、実は鍋がなくても成り立つのです。

順番ではなく同時に:ひとつのフライパンの中で

ここまでの組み合わせはすべて時間の中の順序でした。焼いてから煮る、ゆでてから焼く、ホイルを包んで外す。けれども、ひとつのフライパンで二つの系統を同じ瞬間に使う料理もあります。そこで両者を分けるのは時計でもふたでもなく、どの面が金属に触れているかです。

焼き餃子はそれを書き出しています。ふたをすると、底面は熱い油に触れたまま、上面は蒸気の中にあり、両者を分けているのは皮です。マンドゥはその代償を記しています。水を加えると底面は100°Cに引き戻され、水があるあいだは何も焼き色がつかないので(焼き色)、最初に作った焼き面はやわらかくなります。だからフライパンの水がなくなったあとの最後の1分で、もう一度焼き面を作るのです。その面は乾、湿、乾と順に移っていて、同時に二つの系統にいるわけではありません。

お好み焼きは水をまったく加えない鉄板です。ふたをした側を蒸しているのはキャベツ自身の水分で、上の「素材自身の水分で加熱する」系統が一方の面で働き、もう一方の面は乾式加熱で焼き色がつきます。そして、鍋にはできないことをします。ひっくり返すと、二つの面が系統を入れ替えるのです。

ふたがどちらの系統かを決める

同じ鍋、同じ火加減でも、ふたひとつで調理法が変わります。

  • ふたなし:水分が逃げ、表面は100°Cを超えます。煮詰まり、焼き色がつきます。
  • ふたあり:蒸気が閉じ込められ、湿式加熱になります。やわらかく、何も乾きません。

オーブン料理をアルミホイルで覆い、最後に外すのは、まさにこのスイッチです。

中間の領域:素材自身の水分で加熱する

水をまったく加えず、素材が出す水分だけを使う料理もあります。ふたをしているので湿式加熱ですが、風味を薄めるものが何もありません。

  • ケジェヌ:土鍋を密閉し、水は一滴も入れません。
  • ブーニャ:バナナの葉で包んで土に埋め、液体はココナッツミルクだけです。
  • イラクのドルマ:鍋に重ねて重しの皿をのせ、自らの汁と少量のスープで煮ます。
  • フォーリコール:羊肉とキャベツを重ね、水はほとんど加えません。キャベツが出す水分がスープになり、脂も香味野菜もまったく入れません。
  • ムール・フリット:ムール貝が殻に抱えていた海水を吐き出し、それがスープになります。ワインをグラス1杯しか入れないのはそのためです。

いくつもの大陸にまたがる五つの料理が、同じ構造をしています。密閉、弱い火、そして素材自身の水分。三つめが一つめを必要とする理由は明らかです。二つめを必要とする理由は火加減にあります。素材が水分を出すには時間がかかり、出す前に鍋底を焦がすほど火が強ければ、鍋には液体がまったくできません。水を加えていないので、立て直す手段もありません。

水を加えないことで、失敗の方向も決まります。ふたから漏れれば、ソースは残りません。この系統の料理が鍋の縁を生地や葉でふさぐことがとても多いのはそのためです。

それぞれの道具の役割

  • フライパン:反応が速く、表面との接触が強い。薄いものを速く。
  • オーブン:四方から均一で、返す必要がない。厚いものをゆっくり。
  • 蒸し器:何も乾かない。卵、魚、餃子、餅など、水分が食感そのものであるものすべて。
  • 圧力鍋:水の沸点を約120°Cに上げ、湿式加熱を速める。時間は3分の1になるが、焼き色はつかないので、先に焼きつける。
  • エアフライヤー:小さなオーブン。乾式加熱なので、湿式加熱が必要なものには向かない道具。

選び方

  • 薄くてやわらかい素材 → 乾式加熱で短く。(薄い肉、エビ、卵。)
  • 厚くて硬い素材 → 湿式加熱で長く。(骨つきのカルビ、すね肉、肩ロース。)煮込みを参照。
  • 香りが目的 → どこかに乾式加熱が必要。
  • 均一さが目的 → 湿式加熱か、低温のオーブン。
  • 両方 → 焼きつけてから煮込む。逆ではいけません。濡れた表面には焼き色がつきません。

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