ソンピョン(ごまあん入りの半月形の餅)

写真: wizdata · CC0

ソンピョン(ごまあん入りの半月形の餅)

秋夕(チュソク)に作る半月形の餅です。米粉にはグルテンがないので、冷たい水ではまとまりません。生地は熱湯でこね、糊化したでんぷんがグルテンの役目を果たします。ソンピョンが割れるのは、ほとんどの場合、水が足りないか、こね足りないかです。

材料

30人分
  • 生地(約30個分)
  • うるち米の米粉 · 水挽きのうるち米粉。もち米の粉では形が保てない500g
  • 熱湯 · ぐらぐら沸騰していること。数回に分けて加える270ml
  • 塩 · 粉にすでに塩が入っていれば不要小さじ1
  • 色づけ(なくてもよい)
  • よもぎパウダー · 緑小さじ2
  • かぼちゃパウダー · 黄色小さじ2
  • ウチワサボテンの実のパウダー · ピンク。色が強いので少量で小さじ1
  • 黒ごまパウダー · 灰色小さじ2
  • あん:ごま
  • いりごま · 粗くすりつぶす。粒のままではまとまらない100g
  • 砂糖60g
  • はちみつ大さじ1
  • 塩1ひとつまみ
  • あん:緑豆(別案)
  • 皮むき緑豆のあん200g
  • 砂糖40g
  • シナモンパウダー小さじ0.5
  • 仕上げ
  • ごま油大さじ1
  • 松葉 · なくてもよい。洗って水気を切る。布巾で代用できる1ひとつかみ

作り方

  1. 米粉をふるう。色をつけるなら、ここで分けて、それぞれに色のパウダーを混ぜる。

  2. 湯をぐらぐらに沸かし、数回に分けて粉に加えてへらで混ぜ、触れるくらいに冷めたら手でこねる。沸騰した湯でなければならない。米粉にはグルテンがないので、熱湯で糊化したでんぷんがつくる糊が生地をまとめる。冷水やぬるま湯では、どれだけこねてもぼろぼろのまま。

  3. 表面がなめらかになり割れなくなるまで、しっかり10分以上こねる。これを短く切り上げるのが、ソンピョンが蒸し器で割れるいちばんの原因で、ここで省いた時間は後から取り戻せない。

    ⏲ 10分
  4. 生地をぬれ布巾で覆う。米の生地はすぐに乾き、表面が一度乾くと、こね直してもひび割れの跡が残る。成形していない分は覆っておく。

  5. あんを作る。いりごまをすり鉢かミルで粗くすり、砂糖、はちみつ、塩と混ぜる。粒のままではまとまらず、成形中に流れ出る。緑豆のあんなら砂糖とシナモンを混ぜ、ひと口大に丸める。

  6. 20gずつ取って丸め、親指でくぼみを作り、あんを小さじ1入れて口を閉じる。軽く押さえて半月形にする。あんは控えめに。多すぎると砂糖が溶けて膨らみ、蒸し器の中で餅を破る。

  7. 蒸し器に蒸気をしっかり上げる。松葉を敷き、なければぬれ布巾を敷く。餅が触れ合わないよう並べ、水滴で表面に穴があかないようふたの下に布巾をはさみ、20〜25分蒸す。松葉が香りをつけ、餅同士がくっつくのを防ぐ。

    ⏲ 22分 30秒
  8. 表面が透き通ってきたら蒸し上がり。熱いうちにごま油を塗る。そのときに浸み込み、つやが出てくっつかなくなる。表面がとてもべたつくなら、先に一瞬冷水にくぐらせて水気を振り切る。それより長くすると餅が水を吸う。

  9. 少し冷まして出す。冷めたばかりがいちばんおいしく、そこから硬くなっていく。

    ⏲ 20分

アレンジ

  • ほかのあん:緑豆、栗、炒った大豆、刻んだなつめ。はちみつだけでは流れ出るので、ごまや豆のあんでまとめて固くします。
  • オリョ・ソンピョンは、その年に最初に収穫した米で作るソンピョンの呼び名で、祭祀に供えます。
くわしい説明と理由 (3)
  • 五色ソンピョン:白に、よもぎ(緑)、かぼちゃ(黄)、ウチワサボテンの実(ピンク)、黒ごま(灰色)を加えます。パウダーは粉の段階で混ぜ、どの色でも湯はぐらぐら沸騰していなければなりません。
  • モシッイプ・ソンピョン(全羅道):ゆでて細かくすりつぶしたカラムシの葉を生地に練り込みます。よもぎより色が深く香りはおだやかで、葉の繊維のおかげで生地が割れにくくなります。
  • じゃがいものソンピョン(江原道):すりおろしたじゃがいもから沈殿させたでんぷんで作ります。ずっと弾力があり、加熱すると透き通ります。アレンジというより別の料理に近いものです。

コツ

  • 水は必ず数回に分けて加えます。米粉によってもともと含む水分が違い、一度に注いで水っぽくなりすぎた生地は、粉を足しても元に戻りません。
  • 割れの原因は三つです:水が少なすぎる、こね足りない、生地が乾いた。三つとも蒸し器に入る前に起こり、蒸し器の中では一つも直せません。
  • あんは少なめに、閉じはしっかり。砂糖は蒸すうちに溶けて膨らむので、成形中にちょうどよく見える量は、蒸し上がると多すぎます。
  • 蒸し器のふたの下に布巾をはさみます。ふたから落ちる水滴が表面に穴をあけ、色をにじませます(乾式加熱と湿式加熱)。
  • ごま油は熱いうちに。冷めてから塗ると表面にのるだけで、つやが出ません。
くわしい説明と理由 (5)
  • うるち米の粉でなければなりません。もち米の粉はだれて半月形が崩れ、老化の仕方も違い、食感は弾力のある棒餅に近づきます。ソンピョン独特の、しっかりしていてやわらかい歯ざわりは、短粒のうるち米から生まれます。
  • 水挽きの粉を使います。精米所や冷凍食品売り場にある、塩入りのしっとりしたものです。スーパーの乾燥した米粉なら、水を20%ほど多くしてこね時間も長くし、それでも割れることを覚悟してください。自分で挽くなら、米を少なくとも6時間浸水させ、水気を切って塩と一緒に挽きます(浸水)。
  • 熱湯でこねる生地は、グルテンがないことへの答えです。小麦の生地がグルテンの網目でまとまるのに対し、米の生地は糊化したでんぷんの粘りでまとまります(生地とグルテン)。蝦餃の皮もまったく同じ原理で、小麦でんぷんに熱湯を注いで、透き通ったよくのびる生地を作ります。どちらも冷水ではできません。
  • 保存は室温で、冷蔵庫は最悪の場所です。冷蔵庫の温度はでんぷんが最も早く再結晶する温度で、1日入れておくと石のように硬くなります。その日のうちは覆って室温に置き、それより長くなるなら1個ずつ包んで冷凍し、凍ったまま蒸し直します。トッククの餅と同じく、餅の敵は時間ではなく冷蔵庫です。
  • 名前の由来:송(松)は松の意味で、松葉の上で蒸すことからこの名がつきました。松葉は香りをつけ、餅同士がくっつくのを防ぎ、蒸気を均一に通します。もともとは飾りではなく道具だったのです。

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