
イル・フロッタント(カスタードに浮かべたゆでメレンゲ)
ゆでたメレンゲをカスタードに浮かべるフランスのデザート。泡立てた泡は、ムースのように冷やすことも、スフレのように焼くこともできますが、ここではゆでます。80°Cの牛乳の上で約2分で固まります。下にあるのはクレーム・アングレーズで、かき混ぜて作るこのカスタードには逆の注意が要ります。沸騰したら終わりです。
材料
作り方
- ⏲ 15分
バニラビーンズを裂いて牛乳に入れ、弱火で湯気が立つまで温めたら火から下ろし、15分おいて香りを移す。この同じ牛乳でカスタードもメレンゲのゆでも行う。
- ⏲ 7分
卵白に塩を入れて泡立て、砂糖を3回に分けて加えて角がピンと立つまで泡立てる。オーブンで焼くメレンゲと違って固く泡立ててよい。ここでは膨らみながら伸びる必要のあるものがないからだ(スフレがやわらかい角で止めるのはまさにその理由による)。
- ⏲ 5分
牛乳を広い鍋に移し、約80°Cに保つ。表面が揺れて、泡は出ない状態。大きなスプーン2本でメレンゲを大きくすくって入れる。
- ⏲ 4分
片面1分、返してもう1分。それだけだ。卵白は約62°Cで固まりはじめるので、80°Cの牛乳では外側が数秒で固まって形を保ち、内側は火が通らずマシュマロのようなままになる。穴あきお玉ですくってキッチンペーパーにのせ、水気を切る。
- ⏲ 4分
ゆでた牛乳を再び火にかける。卵黄と砂糖を白っぽくなるまで混ぜ、熱い牛乳を少しずつ注いでのばす。一度に入れると卵黄に火が入ってしまう。
- ⏲ 8分
鍋に戻し、弱火で絶えず混ぜながら82〜84°Cにする。へらの背にからみ、指でなぞると跡がくっきり残ればできあがり。決して沸騰させない。クレーム・ブリュレが言うように、卵黄だけで固めるカスタードは一度行き過ぎると戻らず、しかもこちらは湯せんにすら入っていない(卵)。
- ⏲ 30分
ボウルに漉し入れ、氷水に当てて冷めるまで混ぜる。冷蔵庫で少なくとも2時間冷やす。冷えるともう少しとろみが出る。
- ⏲ 7分
砂糖と水を混ぜずに煮立て、琥珀色のカラメルにする。色ではなく温度で見極め、一段階早く火から下ろすことは砂糖が甘さ以外にしていることに。
- ⏲ 5分
冷たいアングレーズを広い器に注ぎ、メレンゲを浮かべ、カラメルを糸のようにたらし、炒ったアーモンドを散らす。すぐに出す。カラメルは空気中の水分を吸い、30分以内に消えてしまう。
アレンジ
- スポッテッド・ディックにかけるカスタードがこれです。イギリス版はふつう失敗しないように少量のコーンスターチを入れますが、原理は同じです。
- カラメルの代わりに:砕いたプラリネ、メープルシロップ、または炒ったアーモンドだけ。カラメルがいちばんフランスらしく、いちばん早く消えます。
くわしい説明と理由 (4)
- イル・フロッタントとウ・ア・ラ・ネージュ:韓国語版ウィキペディアは、大きなメレンゲをオーブンの湯せんで焼いたものを「イル・フロッタント」、小さなものをコンロで加熱したものを「ウ・ア・ラ・ネージュ」と呼び分ける人もいると記しています。実際には二つの名前は区別なく使われていて、このページはゆでるほうです。
- 焼いたメレンゲとの比較:パブロバは低温のオーブンに何時間も入れて乾燥させるので、外側がカリッとします。このメレンゲは液体の中で2分加熱するだけでまったく乾燥させないので、中までやわらかいままです。同じ卵白と砂糖が、時間と加熱の媒体を変えるだけでまったく別のものになります。
- イートン・メスとの比較:あちらは焼いたメレンゲをわざと砕いてクリームに混ぜます。こちらはメレンゲが形を保たなければならず、それができるのはゆでて外側を固めたからにほかなりません。
- クレーム・アングレーズはそれだけで使い道があります:冷やせばソース、凍らせればアイスクリームのベース、ゼラチンを加えればババロアになります。火にかけてかき混ぜて作るカスタードです。クレーム・ブリュレは焼き、カヤトーストは湯せんを使い、ブランケット・ド・ヴォーのリエゾンは固めずにソースにとろみをつけます。
コツ
- 牛乳を沸騰させない。80°Cを超えるとメレンゲの表面が荒れ、膨らんでからしぼみます。泡がまったく出ない状態が正解です。
- 大きくすくう。小さいと数秒で中まで火が通り、芯が固くなります。大きなスプーン2本でメレンゲを転がし入れます。
- 水気を切る。メレンゲについた牛乳が表面を濡らし、カスタードの中でへたります。
- 組み立ては最後に。メレンゲもカラメルも、早くのせると30分以内に消えてしまいます。
くわしい説明と理由 (1)
- アングレーズは82〜84°C。温度計がなければ、へらの背を指でなぞります。跡が閉じればまだ、残ればできあがりです。行き過ぎたと思ったら、すぐに冷たいボウルに移して強く泡立て器で混ぜると、かなり救えます。
この料理の土台になる基本
- 卵:固まる温度とそれが決めること卵白は62°C、卵黄は68°Cで固まります。この2つの数字で、スクランブルエッグも、ゆで卵も、蒸し卵も、クレーム・アングレーズも一度に説明がつきます。
- ソースが分離する理由:乳化とパンソースクリームソースが分離するのも、カルボナーラがいり卵になるのも、同じ失敗です。温度と乳化剤、そして分離したソースを元に戻す方法を説明します。
- 包丁の基本:持ち方、切り方、大きさが大事な理由包丁は、切る速さよりも持ち方のほうが大事です。刃元を指でつまむ持ち方、猫の手、そして大きさをそろえることが見た目ではなく調理上の判断である理由。
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https://cookiki.com/ja/r/ile-flottante · cookiki · 利用者の投稿は CC BY-SA 4.0 で公開されています。











