ブリオッシュ(バターたっぷりのリッチなパン)

写真: Jean Weber · CC BY 2.0

ブリオッシュ(バターたっぷりのリッチなパン)

粉の重量の半分以上のバターを含むフランスのパンです。成否を分けるのはバターの量ではなく、入れるタイミングと生地の温度です。先にグルテンを作り、バターは冷たいまま数回に分けて加え、24°Cを超えたらもう戻れません。

材料

8人分
  • 生地(パウンド型1台分、または丸パン8個分)
  • 強力粉 · たんぱく質12%以上。バターを支えきれる粉で250g
  • 卵 · 約150g、冷たいもの。この生地の水分は卵3
  • 牛乳 · 冷たいもの30ml
  • 砂糖30g
  • 塩 · ボウルの中でイーストから離して置く5g
  • インスタントドライイースト5g
  • 無塩バター · 粉の重量の60%。冷たいまま1cm角に切る150g
  • 卵液
  • 卵黄1
  • 牛乳大さじ1

作り方

  1. ボウルに粉、砂糖、塩、イーストを入れ(塩とイーストは反対側に置き、触れさせない)、冷たい卵と牛乳を加えて8〜10分こねる。バターはまだ入れない。この時点で生地は硬くなめらかで、グルテンはすでにできている。

    ⏲ 10分
  2. 冷たいバターを3〜4回に分けて加え、そのつど完全に見えなくなってから次を入れる。全部で10〜15分。脂肪はグルテンの筋を覆い、網目ができるのを妨げる。最初からバターを入れると生地がまとまらないのはそのため。順番こそがレシピ。

    ⏲ 15分
  3. こねながら生地の温度を確かめる。24°Cを超えたら止める:ボウルごと冷蔵庫に20分入れてから続ける。スタンドミキサーはそれ自体で生地を温めるので、途中で止めるのは失敗ではなく通常の手順。生地が脂っぽく見え、バターがにじみ出てきたらもう手遅れで、元には戻らない。

    ⏲ 20分
  4. なめらかでつやがあり、薄くのびるまでこねたら丸め、室温で1時間発酵させる。2倍にはせず、1.5倍ほどで止める。

    ⏲ 60分
  5. 覆いをして冷蔵庫で少なくとも8時間、できれば一晩置く。風味のためだけではない。室温のブリオッシュ生地はバターのせいでやわらかすぎ、まったく成形できない。冷えて硬くなっていないと扱えない。

  6. 約75gずつ8等分して丸める。ブリオッシュ・ア・テットにするなら、それぞれの4分の1をつまみ取って小さな玉にし、大きいほうの中央に指で深い穴をあけて小さな玉を押し込む。ナンテールにするなら、8個をパウンド型に2列に並べる。

  7. 室温で1時間30分〜2時間、生地が型の縁を少し超えるまで発酵させる。冷えた状態から始まるので、普通のパンより時間がかかるのは当然。

    ⏲ 105分
  8. 卵黄と牛乳を混ぜて表面に塗り、10分置いてもう一度塗る。2度目の塗りが深いつやを生む。

    ⏲ 10分
  9. 170°Cで30〜35分焼く。普通のパンより低い温度。砂糖とバターがずっと早く色づくので、200°Cでは中まで火が通る前に外側が焦げる。中心温度90°Cが目安で、色づくのが早すぎたらアルミホイルをかぶせる。

    ⏲ 35分
  10. 型から出し、網の上で完全に冷ます。熱いうちは中のバターがまだ液体なので、そのとき切ると生地がつぶれる。

    ⏲ 60分

アレンジ

  • ブリオッシュ・ナンテール:8個をパウンド型に2列に並べて焼きます。ア・テットより成形が簡単で、サンドイッチやトーストに向いた形です。
  • チョコチップやレーズン:低温発酵のあと、成形の直前に混ぜ込みます。こねるあいだに入れると、チョコが溶けて生地が濁ります。
  • 小さなア・テット:1個40gで、焼き時間はわずか12分。表面積が大きいほど早く色づくので、160°Cに下げます。
  • 残り物はフレンチトーストにうってつけのパンです。食パンよりずっとよく卵液を吸い、1日たって乾いたもののほうがむしろよいくらいです。
くわしい説明と理由 (2)
  • ブリオッシュ・ムースリーヌ:バターを粉の重量の80〜100%まで増やします。生地はほとんど液状で、背の高い円筒形の型に流し入れます。ここでの60%でも十分難しいので、最初に挑むものではありません。
  • バター控えめ:40%ならずっと扱いやすく、それでもブリオッシュです。初めてならそこから始める価値があります。30%ほどを下回ると、ただの卵入りのパンに近づきます。

コツ

  • 1次発酵で2倍になるまで待たないでください。これほどリッチな生地は発酵しすぎると構造を保てず、オーブンでしぼみます。1.5倍ほどで止めて冷蔵庫へ移します。
  • 卵液は2回塗ります。1回では色はつきますが、つやは浅くなります。
  • 完全に冷ましてから切ります。熱いうちはバターが液体で、切り口がつぶれます。ブリオッシュは冷めながら生地が落ち着くパンです。
  • 保存:密閉して室温で2日。それ以上なら薄切りにして冷凍し、凍ったままトーストします。冷蔵庫は最悪の選択で、でんぷんが最も早く老化する温度です。
くわしい説明と理由 (6)
  • バターはグルテンができてから入れます。このレシピから一つだけ覚えるなら、これです。脂肪がグルテンの筋を覆うと網目ができなくなるので、最初からバターを全部入れた生地は、どれだけこねてもぼろぼろのままです(生地とグルテン)。
  • 温度が二つ目の関門です。24°Cを超えるとバターが溶けて分離し、いくら冷やしても元に戻りません。冷たい卵、冷たい牛乳、冷たいバターを使い、ミキサーを止めてボウルを冷蔵庫に入れるのは失敗ではなく手順だと考えてください(乳製品と熱)。
  • バターの入れ方はクロワッサンと正反対です。クロワッサンはバターが層のまま残ることを求め、バターが生地に混ざるのが失敗です。ブリオッシュはバターが完全に分散することを求めます。どちらも温かいバターで台無しになりますが、理由は正反対です。クロワッサンは層がつぶれて混ざるから、ブリオッシュはバターが混ざらずに分離するからです。
  • 一晩冷やすのは省けません。ベーグルも一晩低温で発酵させますが、理由が違います。ベーグルでは沸騰した湯の中で生地がゆるまないよう膜を作るため、ここでは、そのままではやわらかすぎて成形できない生地を固めるためです(発酵の基本)。
  • 170°Cに下げます。砂糖とバターでずっと早く色がつくので、普通のパンの温度では中に火が通る前に外が焦げます(オーブンの中で本当に起きていること)。写真くらい濃い色の皮で正解です。
  • 「ブリオッシュを食べればいい」はマリー・アントワネットの言葉ではありません。この一節(qu'ils mangent de la brioche)はルソーの『告白』に別の王族の言葉として出てきますが、その部分が書かれたのは、マリー・アントワネットが1770年にフランスへ来る前です。彼女の言葉とされたのは後のことで、同時代の根拠はありません。

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