ローガンジョシュ(カシミールの羊肉煮込み)

写真: Spice Eats · CC BY 3.0

ローガンジョシュ(カシミールの羊肉煮込み)

カシミールの羊肉の煮込みです。名前は赤いソースのことではありません。ローガンは脂、ジョシュは激しい熱を意味し、脂で強火で調理することを表しています。色はトマトではなくカシミールチリから来ていて、伝統的なものには玉ねぎ、にんにく、トマトが一切入りません。

材料

4人分
  • 肉
  • ラム肉 · 骨付きの首肉か肩肉を4〜5cm角に切る。骨と骨髄がソースのとろみになる1kg
  • ベース
  • ギー · またはマスタードオイル。カシミールではこちらを使う大さじ5
  • カシミールチリパウダー · 色が濃く辛さはおだやか。普通のチリパウダーなら大さじ3ではなく2で大さじ3
  • プレーンヨーグルト · 全脂肪のもの。なめらかに混ぜて室温に戻す300g
  • 塩小さじ2
  • 水 · 熱湯300ml
  • ホールスパイス
  • クローブ5個
  • グリーンカルダモン · 軽く割り開く4粒
  • ブラックカルダモン · カシミール料理のスモーキーさはここから来る2粒
  • カシアの樹皮 · 5cm1かけら
  • ローリエ2枚
  • スパイスパウダー
  • フェンネルパウダー · カシミールのローガンジョシュを特徴づける香り。これがないと別のカレーになる小さじ2
  • 乾燥しょうがパウダー · ソント。生ではなく乾燥を使うのが伝統小さじ2
  • アサフェティダ(ヒング) · お好みで。玉ねぎとにんにくがないぶんの空白を埋める小さじ0.25
  • ガラムマサラ · いちばん最後に小さじ1
  • 色づけ(お好みで)
  • ラタンジョット · アルカネットの根。熱い油に30秒浸して赤い色を出し、取り除く。風味はほとんどない1かけら

作り方

  1. ラム肉の水気を完全に拭き取り、塩小さじ1をふって20分置く。ヨーグルトはなめらかに混ぜて室温に戻す。冷たいヨーグルトは分離する。

    ⏲ 20分
  2. 厚手の鍋でギーを溶かし、ホールスパイス(クローブ、2種のカルダモン、カシア、ローリエ)を30秒だけ、カルダモンがふくらんで香りが立つまで炒める。

    ⏲ 30秒
  3. ラタンジョットを使う場合は、ここで熱い油に30秒浸して取り除く。油が鮮やかな赤に染まる。これがカシミールでの色の出し方で、トマトやパプリカパウダーによるものではない。

    ⏲ 30秒
  4. ラム肉を加え、表面に色がつき、出てきた水分が再び飛ぶまで強火で8〜10分炒める。名前のジョシュ(激しい熱)が指しているのはこの工程だ。

    ⏲ 10分
  5. 火を弱めてからカシミールチリパウダーを加え、油が赤く染まるまで1分炒める。チリパウダーは30秒で焦げて鍋全体を苦くするので、先に火を落とす。

    ⏲ 1分 30秒
  6. 鍋を火から下ろし、ヨーグルトを3回に分けて加え、そのたびによく混ぜ込む。少しの間火から外しておかないと、ヨーグルトのたんぱく質が固まって粒になる。

    ⏲ 5分
  7. 弱火に戻し、混ぜながら5分温める。沸騰はさせない。ヨーグルトがなじんで表面がなめらかに見えたら次へ進む。

    ⏲ 5分
  8. フェンネル、乾燥しょうが、アサフェティダ、塩を加えて2分炒め、熱湯300mlを注ぐ。冷水を入れると温度が下がり、肉がまた締まる。

    ⏲ 3分
  9. ふたをして、表面がかすかに揺れる程度の弱火で90分〜2時間煮る。焦げつかないよう30分に1回混ぜる。肉が抵抗なく骨から外れれば煮上がり。

    ⏲ 120分
  10. ふたを取り、必要ならさらに10分煮詰める。仕上がりの合図は、表面に浮いてくる赤い脂だ。この脂の層こそが名前のローガンで、すくい取らない。

    ⏲ 10分
  11. ガラムマサラを混ぜて火から下ろし、ふたをして10分置く。ご飯かナンと一緒に出す。

    ⏲ 10分

アレンジ

  • 玉ねぎを入れたいなら、エシャロット3個を薄切りにしてホールスパイスの後にきつね色に炒め、アサフェティダは省きます。ソースは甘く濃くなります。
  • ヤギ肉は30分ほど長くかかり、ソースが深くなります。インドでマトンといえば、たいていヤギ肉のことです。
  • 圧力鍋なら30〜35分ですが、最後にふたを取って10分煮て、脂を表面に戻しましょう。あの脂の層がなければローガンジョシュではありません。
  • ニハリは同じ一族のパキスタン版で、骨付き肉を脂が浮くまで長く煮込みます。あちらは小麦粉でとろみをつけ、こちらはヨーグルトと骨でとろみを出します。
くわしい説明と理由 (2)
  • ワズワン風(イスラム教徒の伝統)。カシミールのイスラム教徒の料理では、地元のエシャロットであるプラーンを揚げてベースに加えます。上のレシピはカシミール・パンディット(ヒンドゥー教徒)版で、玉ねぎもにんにくも一切使いません。ひとつの名前を2つの伝統が分け合っていて、どちらも間違いではありません。
  • 鶏肉ではうまくいきません。この料理は90分の煮込みに耐える骨とコラーゲンを前提にしています。スパイスの効いた鶏肉料理なら、タンドリーチキンやバターチキンカレーをどうぞ。

コツ

  • 骨付きの部位を使いましょう。赤身だけではとろみが出ません。ソースをからませるのは、コラーゲンがゼラチンに変わることです(煮込み)。
  • 翌日のほうがおいしく、スパイスがなじみ、脂が扱いやすい固さに固まります。冷蔵で4日、冷凍で3か月もちます。温め直すときは水大さじ2を加え、沸騰させずに。
  • ご飯なら、ビリヤニのような香りの強いピラフより白いご飯のほうが合います。ソースがすでにスパイスでいっぱいだからです(塩)。
くわしい説明と理由 (5)
  • 名前を取り違えないこと。ローガンは脂、ジョシュは激しい熱です。赤については何も言っていないので、色を出そうとトマトに手を伸ばすのは的外れです。色はカシミールチリから、使うならラタンジョットから来ます。
  • ヨーグルトは火から下ろして、室温で、何回かに分けて入れます。3つの条件がすべて必要です。急に固まったたんぱく質は粒になって浮き、どれだけ混ぜても元に戻りません(ソースが分離する理由)。
  • チリを入れる前に火を弱めること。これがこの料理のいちばん多い失敗です。大さじ3のチリパウダーは強火なら30秒で焦げ、焦げたチリは2時間煮ても苦いままです(スパイスを油で引き出す)。
  • フェンネルと乾燥しょうががこの料理の個性です。ガラムマサラをどっさり入れて深みを出す料理ではなく、甘いフェンネルと乾燥しょうがの刺激が前に立ちます。省くとただのラムカレーで、ローガンジョシュではありません。
  • 脂はすくわないこと。表面の赤い脂の層は仕上がりの合図で、失敗ではありません。気になるならギーを大さじ4に減らしましょう。ただし脂が浮いてくるのを妨げてはいけません。

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