メドヴィク(はちみつの層ケーキ)

写真: Wotancito · CC BY-SA 4.0

メドヴィク(はちみつの層ケーキ)

薄いはちみつの生地を8〜12枚、サワークリームで重ねたロシアのケーキ。ソーダブレッドは酸と重曹が出会ってから数分以内に焼かなければなりませんが、メドヴィクは小麦粉を入れる前に鍋の中でその反応を最後まで進めてしまいます。はちみつは酸性で、重曹が熱の上でその酸と出会い、生地は倍の量に泡立ちます。

材料

12人分
  • はちみつ生地(直径20cm、8枚分)
  • はちみつ · 色が濃く風味の強いものがよい120g
  • 砂糖120g
  • バター100g
  • 卵 · 室温に戻す2
  • 重曹 · ふるう小さじ1.5
  • 小麦粉(中力粉) · 半量を先に、残りは様子を見て420g
  • 塩小さじ0.25
  • スメタナクリーム
  • サワークリーム · 乳脂肪20%以上。手に入ればスメタナ600g
  • 生クリーム · 冷たいもの200ml
  • 粉砂糖120g
  • バニラエクストラクト · 好みで小さじ1
  • 外側
  • 焼いた切れ端 · 生地を切りそろえた残りを砕いたもの。買い足すものはない0
  • くるみ · 好みで。粗く砕く50g

作り方

  1. 大きな鍋を湯せんにかけ、はちみつ、砂糖、バターを一緒に溶かす。溶けたら卵を加えて混ぜ、なめらかになるまで混ぜ続ける。湯せんにするのは卵が炒り卵にならないためだ。

    ⏲ 10分
  2. 重曹をふるい入れて勢いよく混ぜる。生地は約2倍の量に泡立ち、白っぽく軽くなる。これがこのケーキの膨らみのすべてで、オーブンではなくここで起きる。泡立たなければ、重曹が古いか、はちみつの代わりにシロップを使っている。

    ⏲ 3分
  3. 火から下ろし、色が濃くなっていく間も2〜3分混ぜ続ける。はちみつはアルカリに触れるとすぐに褐色になり、ケーキの色はここでつく。

    ⏲ 3分
  4. 塩と小麦粉の半量を混ぜ込む。手で触れるくらいに冷めたら残りを少しずつ加えて練り、やわらかく、少しべたつくところで止める。全量は要らないかもしれない。固い生地は薄くのばせない。

    ⏲ 10分
  5. 8等分してラップで包み、30分休ませる。この休みができるのは、重曹がすでに仕事を終えているからだ。

    ⏲ 30分
  6. オーブンを180°Cに予熱する。生地を1つずつクッキングシートの上で2mmにのばし、皿を当てて直径20cmの円に切る。切れ端は取っておく。

    ⏲ 20分
  7. 生地を1枚ずつ、それぞれ4〜5分焼く。色が濃くなり、縁が少し浮いたら焼き上がり。この薄さでは1分の焼きすぎで焦げる。切れ端も一緒に焼く。

    ⏲ 5分
  8. 冷めると生地は固く、パキッと割れる。それで正しい。生地をやわらかくするのはクリームの水分だ。

    ⏲ 10分
  9. 冷たいサワークリーム、生クリーム、粉砂糖、バニラを泡立てて、もったりしたクリームにする。サワークリームはもともと酸性なので、泡立てすぎると分離する。しっかり角が立ったところで止める。

    ⏲ 5分
  10. 生地1枚にクリームをたっぷり塗り、次の生地を重ね、8枚すべてを重ねる。側面にもクリームを塗る。

    ⏲ 15分
  11. 焼いた切れ端を砕いて上面と側面に押しつけ、くるみを散らす。

    ⏲ 5分
  12. ラップをして冷蔵庫で一晩置く。ここで生地が水分を吸ってやわらかくなる。これを省くと、もろいビスケットを8枚食べることになる。

アレンジ

  • ウクライナのメディヴニク:同じはちみつ生地を1個の型で焼き、クリームをまったく使わないもの。層のないバージョンです。
  • ブルガリアではまったく別の名前、Френска селска торта(「フランスの田舎のケーキ」)で呼ばれます。
  • 何枚重ねるか:家庭なら8枚が妥当で、菓子店では12枚や16枚にします。変わるのは枚数だけで、作り方は同じです。
くわしい説明と理由 (3)
  • 誰のケーキか。 ko.wikipediaはこれを「ロシアと旧ソ連諸国」のケーキとし、名前がロシア語のmyod(мёд、はちみつ)から来ていると記しています。チェコのメドヴニーク、リトアニアのメドゥティス、ポーランドのミオドヴニク、ウクライナのメディヴニクはどれも親戚で、それぞれ自分の名前を持っているので、このサイトは名前が指すほうに従いました。インジェラとスヤがすでに拠っているのと同じ基準です。
  • 皇后エリザヴェータの話。 アレクサンドル1世の皇后ははちみつが大嫌いだったが、それを知らない新入りの若い菓子職人がはちみつケーキを出したところ、気づかずに大いに気に入った、と言われています。同じ記事は、メドヴィクが19世紀のロシアの料理書には一冊も出てこないことを指摘しています。最初の記録は1957年にキーウで出版された『ウクライナ料理』です。ソ連時代のケーキなのです。
  • ほかのクリーム:バターと泡立てた練乳、カスタード、バタークリームもよく使われます。どれもサワークリームより水分が少ないので、生地がやわらかくなるのに1日余計にかかります。

コツ

  • 小麦粉は計量ではなく感触で。 鍋の生地の水分は、はちみつと卵しだいで変わります。やわらかく少しべたつくところで止めれば、2mmにのばせます。
  • 切れ端は捨てないこと。 それが外側の衣です。外側のために何も買い足さなくていいのが、このケーキのいいところのひとつです。
  • サワークリームはしっかり角が立ったところで止めます。 もともと酸性なので、それ以上泡立てると分離します(乳製品と熱)。
くわしい説明と理由 (5)
  • 膨らませる工程はオーブンの外で終わります。 アイリッシュ・ソーダブレッドは同じ酸と塩基を使い、ちょうど正反対です。あちらは両者が出会った瞬間に反応が始まるという話で、だから2分以内にオーブンに入れます。ここでは小麦粉が入る前に、鍋の中で反応を最後まで進めます。それが30分の休み、ゆっくりのばす作業、8回に分けた焼きを可能にしています。同じ化学で、時間割が正反対です。
  • はちみつが酸です。 重曹はそれだけでは何もしません。二酸化炭素を出すには酸が要ります。はちみつはpH約3.9で、ここではそれが酸です。ゴールデンシロップや砂糖のシロップに替えると泡立たず、生地は重く固くなります。
  • 膨らみは層を持ち上げるためのものではありません。 2mmにのばした生地に持ち上げるものはありません。泡は生地そのものを軽く扱いやすくし、焼いた層をほろりと崩れるようにするためにあります。膨らみが必要な生地はパウンドケーキやジェノワーズです。
  • 一晩置くのは調理の工程です。 生地は固い状態でオーブンから出て、クリームから移る水分がそれをやわらかくします。ストロープワッフルは2枚のカリッとしたワッフルの間のシロップでわざと同じことをし、コルスコールのカマジュンカーはそれを避けるために食卓でのせます。
  • ドボシュ・トルタとの違い:あちらはスポンジの層を別々に焼き、バタークリームで貼り合わせて、流し固めたキャラメルの板をのせます。こちらの層はスポンジではなくビスケットで、クリームは接着剤ではなく、層をやわらかくする水分の供給源です。

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