ファンナムパン(慶州のあんこ菓子)

写真: ecodallaluna · CC BY-SA 2.0

ファンナムパン(慶州のあんこ菓子)

ごく薄い小麦の皮で粒あんを包み、菊の模様を押して焼き上げます。1939年に慶州(キョンジュ)の皇南(ファンナム)洞で生まれ、その町の名前がつきました。パンというより皮をまとったあんこの玉に近いので、すべては皮をどれだけ薄く包むかと、あんをどこまで煮詰めたかにかかっています。

材料

12人分
  • 12個分
  • 粒あん
  • 小豆 · ひと晩浸水、皮はつけたまま。皮がファンナムパンらしさを作る300g
  • 砂糖 · 2回に分け、豆が完全に柔らかくなってから入れる180g
  • 水あめ · つやと潤いのため、代わりに砂糖を20g増やしてもよい20g
  • 塩2g
  • 皮
  • 小麦粉(中力粉) · ふるう200g
  • 砂糖40g
  • 卵1
  • 牛乳 · 生地の固さを見て調整する50ml
  • 溶かしバター · またはサラダ油20g
  • 重曹 · ごく少量、多いと苦みと黒い斑点が出る2g
  • はちみつ · 皮の乾燥を防ぐ10g
  • 仕上げ
  • 卵黄 · 水小さじ1と溶き混ぜてつや出しに1

作り方

  1. 豆をひと晩浸水させる。翌日、新しい水で沸騰させ、その湯は捨てる。これで渋みが抜ける。

  2. たっぷりの水を加え、指でつぶせるようになるまで50〜60分静かに煮る。皮はむかない。

    ⏲ 60分
  3. 煮汁をほとんど捨て、砂糖を2回に分けて加えながら20〜30分煮詰める。へらで底をなぞった跡がゆっくり閉じればよい。水あめと塩を混ぜ入れて火から下ろす。ここであんの煮詰めが足りないと、オーブンの中で皮が破裂する。

    ⏲ 30分
  4. あんを冷まし、12等分して丸める。熱いまま包むと生地がだれて破れる。

  5. 皮を作る。卵、砂糖、はちみつ、牛乳を混ぜ、溶かしバターを混ぜ込んでから、ふるった小麦粉と重曹を加え、粉っぽさがなくなるまでだけ混ぜる。強く練ると固くなり、薄くのびなくなる。

  6. ふたをして冷蔵庫で30分休ませる。生地が締まって手につかなくなり、それでようやく薄く包めるようになる。

    ⏲ 30分
  7. 生地を12等分する。手に薄く油を塗り、生地を手のひらで平らにして、あんの玉をのせて生地で包む。皮はあんが透けて見えるほど薄くしたい。それがこの菓子の技術のすべてだ。とじ目を下に集めて押さえて閉じる。

  8. とじ目を下にして軽く押して平らにし、上面に菊の型を押す。型がなければ、フォークの背で放射状の筋をつける。模様は飾りであると同時に、蒸気の逃げ道でもある。

  9. オーブンを180°Cに予熱する。天板に間隔をあけて並べ、溶き卵黄をごく薄く塗る。厚く塗ると模様が埋まる。

  10. 15〜18分焼く。濃い茶色ではなく、淡い金色で止める。それ以上焼くと薄い皮が乾いてひび割れ、あんはもったりする。

    ⏲ 18分
  11. 網の上で20分冷ます。焼きたての皮はもろく、持ち上げると破れる。完全に冷めると、皮があんの水分を吸って柔らかくなる。

    ⏲ 20分

アレンジ

  • エアフライヤーで:170°Cで12〜14分。熱が上から強く当たるので裏返さず、上に紙を1枚かぶせます。
くわしい説明と理由 (5)
  • ファンナムパンと慶州パン:元祖は1939年から慶州の皇南洞で崔永和(チェ・ヨンファ、1917〜1995年)が作ったもので、崔永和パンという名前でも呼ばれます。のちにほかの店が、同じものを慶州パンという一般名で作るようになりました。たいてい少し大きく、押す模様も違いますが、作り方は実質的に同じです。
  • 慶州のもう一つの名物、チャルボリパンとは別物です:もち麦の生地を鉄板で柔らかい2枚に焼き、あんをはさんだもので、どら焼きによく似ています。その皮は、この手で包む皮とはまったく違います。
  • こしあんで:皮を除いたこしあんはずっとなめらかで、甘く感じられます。ただファンナムパンの持ち味は粒の皮の歯ざわりなので、替えると菓子がまんじゅうに近づきます。
  • 型がない場合:フォークや箸で放射状の線をつければ十分です。模様は飾りであるだけでなく蒸気の逃げ道なので、まったくないと皮がふくらんで割れます。その場合は代わりにつまようじで穴をあけます。
  • 関連するあんこの菓子:どら焼きは2枚の皮を別々に焼いてあんをはさみ、鯛焼きは薄い生地を型に流します。ファンナムパンはそうではなく手で皮を包むので、手仕事としてはソンピョンやマンドゥに近いものです。

コツ

  • 最初のゆで汁は捨てます。渋み(サポニン)がそれと一緒に抜けます。
  • 皮の生地はこねないこと。弱い粉でもグルテンができると薄くのびず、焼くと固くなります。粉っぽさがなくなったらすぐに止めます(生地とグルテン、小麦粉の選び方)。
  • 冷蔵庫での30分が、薄く包むことを可能にします。混ぜたばかりの生地は手につき、薄くのばそうとするほど破れます。冷やすと締まって、扱いやすさがまるで違います。
  • あんが透けて見えるほど薄く。それがこの菓子の定義です。皮が厚いとただのあんパンになり、ファンナムパンをファンナムパンたらしめる皮とあんの比率が失われます。
  • とじ目は下に集めて押さえて閉じます。開いたままのとじ目は、オーブンで割れる場所になります(包むと閉じる)。
  • 溶き卵黄はごく薄く。厚く塗ると溝が埋まり、型を押した意味がなくなります。
くわしい説明と理由 (6)
  • あんを十分に煮詰めることが最初の関門です。皮が薄いので、中の水分がほんの少し多いだけでも蒸気になって、オーブンの中で皮を押し広げます。目安はへらの跡がゆっくり閉じること。冷めるとさらに締まるので、少しゆるめで止めます。
  • 砂糖は豆が完全に柔らかくなってから。早く入れた砂糖は浸透圧で皮を締め、豆が柔らかくならなくなります。この順番は豆類全般に当てはまります(浸水、砂糖が甘さ以外にしていること)。
  • 模様は通気口です。菊はきれいに見せるためだけのものではありません。押した溝の部分は皮が薄くなり、蒸気はその線に沿って抜けます。型を押せないときは、つまようじの穴が同じ役目を果たします。
  • 淡い金色で止めます。これほど薄い皮は、ほかのパンよりはるかに早く乾きます。濃い茶色になったころにはもうひびが入り始めているので、色より時間を見ます(オーブンの中で本当に起きていること、焼き色)。
  • 完全に冷ましてからのほうがおいしい。焼きたては皮がもろく、熱いあんは砂糖の味しかしません。冷めるにつれて皮があんの水分を吸い、柔らかくなります(食べる温度)。
  • 室温で2〜3日もちます。冷蔵すると皮がぱさついてぼろぼろになります。長く保存するなら個別に包んで冷凍し、室温で解凍してからさっと蒸すと、できたてに近くなります(食感を損なわない冷凍と解凍、蒸し料理、残り物の温め直し)。

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